【記事・動画公開】位山演習林のスギ・ヒノキ植林地の間伐業務

【記事・動画公開】位山演習林のスギ・ヒノキ植林地の間伐業務

岐阜大学応用生物科学部附属岐阜フィールド科学研究センター位山演習林の、間伐と伐採した木材を搬出する業務を取材しましたのでご紹介します。

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演習林は岐阜県下呂市萩原町山之口に所在し、船山(標高1,479.5 m)の南斜面に553ヘクタールの森林が広がっています。

演習林に勤務する技術職員の都竹さんと青木さんは、林道・歩道の整備、倒木の処理、落石の撤去、学生実習の支援、生態調査、木材生産など様々な業務を担っています。お二人は広大な森林を整備・維持するとともに、森林管理技術を継承することで、岐阜大学の研究教育を支えています。

晴天に恵まれた取材当日、私たち取材スタッフは青木さんが運転する車に同乗させてもらい、演習林事務所から北西に位置するスギ・ヒノキ人工林に向かいました。県道を暫く移動し、舗装されていない林道に入って300メートルほど登ると作業地です。高木が茂る森は明るく、木々の合間から光が差しています。この一帯の樹木は50年以上前に植林されたもので、立木が過密にならないよう間伐を行い、伐採木を木材として市場に出荷しているそうです。

都竹さんと青木さんは、スパイクのついた靴に履き替え、ヘルメットと防護眼鏡を着用しました。お二人は重機とチェーンソーを大体半日交代で担当します。今回チェーンソーを担当する都竹さんは、チャップスと呼ばれる防護ズボン、防振手袋、イヤーマフを着用して作業に臨みます。

安全規則にしたがい、私たちは立木の高さの2倍の距離をとって伐採を見学します。都竹さんは、胸高直径40センチメートル、高さ25メートルほどの立木の周囲を良く観察し、重心を見定め、倒す方向を判断してから、伐採に取り掛かります。

初めに、チェーンソーを使って、伐採方向の根本に「受け口」というくの字型の切り込みを入れます。次に受け口と反対側から「追い口」という切り込みを水平にいれ、切り進みます。追い口にくさびを入れハンマーで打ち込むと、次第に立木が受け口側に傾き、重心が倒す方向に少しずつ移動していきます。最後に、立木はミシミシと音を立てながら自重でゆっくりと倒れ、上部が着地した瞬間、ビシッと言う音が鳴り、地面がドドーンと大きく振動しました。

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枝葉を切り払った伐採木を、青木さんが重機で作業道の脇に寄せ、そこから重機のアームの先についた二本の爪で掴み枕木の上に並べます。都竹さんは並べられた原木一本一本の曲がり具合と状態を見ながら、真っ直ぐな部分を3~4メートルに切り出して行きます。根本近くの曲がっている部分や、傷んでいる部分は、重機で端を掴んでもらい、チェーンソーで切り落とします。切りそろえた木材を重機で一ヶ所に積み重ね、切れ端は作業道の脇に除けていきます。青木さんの重機操作と都竹さんのチェーンソーによる切り分け作業は、互いの動きをよく見ながら、阿吽の呼吸で驚くほど手際よく進んで行きました。

伐採したばかりの木は柔らかく、作業の過程で反り返ったり、大きくしなったりします。「木の打撃力は強力であり、端が少し当たっただけでも大けがをするので、安全に気を付けて作業をしている」と都竹さんは話されていました。

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森林での業務は危険と隣り合わせですが、職員どうしが互いを気遣い、安全に気を配って、地道に業務に取り組んでいることを私たちは誇りに思います。

担当スタッフ:(技術職員)都竹彰則、青木将也

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 国立大学法人 東海国立大学 統括技術センター
 CFA(生物生体,高度専門技術担当)中西 華代,CFA補佐 松浦 彩夏
 cfa[at]tech.thers.ac.jp ※[at]を@に変えてご使用ください