【記事・動画公開】機械・航空宇宙工学科3年生の機械加工体験実習

【記事・動画公開】機械・航空宇宙工学科3年生の機械加工体験実習

工学部実験実習工場では、毎年後期に学生実験の一部として、機械加工体験を行っています。これは、工学部機械・航空宇宙工学科から業務依頼されている実習で、装置開発技術支援室の技術職員が2名ずつローテーションを組んで、3年生を各回5名ずつ指導します。

学生はアルミニウム合金の材料を加工して、正方形の台座に丸棒の支柱をネジで固定できる構造体を製作します。一連の加工作業を通して、フライス盤、ボール盤、旋盤といった汎用工作機械の操作、手作業での仕上げ加工、製図といった基本的な技術を体験します。殆どの学生は、木材やプラスチック材を加工した経験はあっても、金属加工は初めてです。興味を持って積極的に取り組む人、工作機械の迫力を前に緊張しておそるおそる作業する人、学生によって実習に臨む姿勢は様々です。

実習は13:30~16:30のおよそ3時間一回のみ。担当スタッフは短時間で実習が滞りなく進められるよう、予め使う機械を点検・調整し、道具と材料等を揃えておきます。学生が集合すると、作業着、作業帽、保護眼鏡を着用してもらい、2グループに分かれ実習開始です。担当スタッフは各工程で、工作機械の機能、使い方、注意点を説明してから、加工を実演します。学生は順にスタッフから指導を受けつつ自分の材料を加工し、ノギスで測りながら、精度±0.1 mmで指定寸法に合わせて行きます。手作業では、ヤスリで加工面の面取りをし、ハイトゲージ(高さを測定する工具)で穴を開ける位置に印(ケガキ線)をつけます。ボール盤で板材に穴を開けたり、ハンドタップでネジ山を刻んだりと作業を進め、最後に台座のネジ穴にしっかりとネジを締め、スタッフが仕上がりを確認したら完成です。

途中作業の休憩を兼ねて、提出課題の図面を確認します。スタッフは学生が3次元CAD(設計ソフトウェア)で作成した図面を見て、基準点や寸法値の記入方法、線の種類や各種記号の意味などを説明します。

実習が終了した後、担当スタッフは工作機械と周辺に飛び散った切りくずを箒で丁寧に掃除しつつ、装置の点検と整備を行います。手作業に使う道具も、一つ一つ状態を確認して、次の実習に備えていました。

工学部機械・航空宇宙工学科では、先生が持ち回りで、機械加工体験実習を含む実験全体のまとめ役を担当されています。今期の担当である伊藤伸太郎准教授は、実習の意義を次のように話してくださいました。「学科の授業で製図は必修科目ですが、加工に関する知識や経験がないと、実際には作りようがない構造体を描いてしまうことはよくあります。基本的な機械加工技術を体験することで、実際の加工プロセスをイメージして製図できるようになってほしい。作りたいもの、新しいものを実際に作ることができるよう設計できる能力は、本学科の研究・教育に欠かせません。」

同学科の教職員は実習を通して、学生が現地現物のものづくりの面白さや重要性を理解し、今後の活躍に役立つことを期待しています。

 東海国立大学機構統括技術センター公式チャンネル
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【記事及び動画作成・問い合わせ先】

 国立大学法人 東海国立大学 統括技術センター
 CFA(生物生体,高度専門技術担当)中西 華代,CFA補佐 松浦 彩夏
 cfa[at]tech.thers.ac.jp ※[at]を@に変えてご使用ください