【開催報告】「ものづくり体験学習」(2023年7月27日)

【開催報告】「ものづくり体験学習」(2023年7月27日)

令和5年7月27日(木)岐阜大学工学部機械工場にて、小学生を対象とした「ものづくり体験学習」が開催されました。小学生4~6年10名が参加し、「ポンポン船」の作製を通してものづくりの面白さを体験しました。

朝9時半、参加者の小学生が集まり受付で渡された軍手をはめたら体験学習開始です。はじめに、ものづくり技術教育支援センター長の山下教授より、スタッフである技術職員が岐阜大学の先端研究に必要な実験設備の設計・製作や学生実習を担っていることが説明され、機械加工に詳しい彼ら職員の指導のもと、ものづくりの楽しさを体験してほしいと開会の挨拶がありました。

スタッフが、ポンポン船が水蒸気で動く仕組みをスライドと簡単な実験で説明します。水の入った試験管にガラス管のついたゴム栓で蓋をし、ガラス管の先を水に浸け、試験管の底をアルコールランプで熱します。すると、水蒸気で内圧が高まり、水が勢いよく試験管から押し出され、次の瞬間、陰圧になった試験管の中にビーカーの水が吸い上げられる様子が観察できました。

蒸気船の原理を学んだら、いよいよポンポン船の製作です。子供たちは、発泡スチロールの板に見本の船体をあてて描いた線に沿って電熱カッターを当て、船体を二つ切り出します。切り口がガタガタになった子供は、スタッフに切り方のコツを教わっていました。

ボイラー部分は直径5ミリメートルの銅パイプを巻いて作ります。参加者は万力に固定した道具を使い、スタッフと一緒にパイプを巻いていきます。甲板部分は、アルミ製の板にパイプを通す穴を二つ開け、ベンダーと呼ばれる工具で曲げてつくります。スタッフは、子供たちが工具に手を挟まないよう気を付けながら、ケガキ線に合わせて慎重に金属板を曲げていました。

船の三つの部品である、銅パイプのボイラー、甲板、発泡スチロール製の船体が揃ったら、組み立てます。甲板の穴にボイラーのパイプを通したら、甲板を船体に両面テープでしっかりと貼りつけます。甲板にロウソク台を貼り付け、コイル位置や給排水口の位置を調整し、コイルの上をアルミ箔で覆ってロウソクの熱が逃げないようにします。最後に船体に旗やシールを貼り、油性ペンで名前や模様を描くなど、子供たちが思い思いの装飾を施し完成です。

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完成したポンポン船を水路に浮かべ、試運転を行います。甲板にロウソクを取り付けたら、パイプにスポイトで水を入れ、水路に浮かべます。ロウソクに点火し、暫くするとボイラーが温まり遂に船が動き出します。ポンポン船がスイスイと水上を進んで行く様子を、「速い速い!」と子供たちは保護者と一緒に楽しげに声を上げていました。ロウソクに点火しても中々動かない船は、スタッフが旗の向きやロウソクの位置を調整すると、無事走り出しました。

何度か試運転したら、好きなタイミングでラップタイムを計測できます。進みだした船が、途中止まってしまうこともあります。止まった船を不安げに見つめる子供に、スタッフは水を多く吸い上げ温度が下がると、パイプの水が温まって再び動き出すまで暫く時間が掛かることを伝えていました。ラップタイムの計測を終えた参加者は、自分の船を大事に抱え持ち帰って行きました。

このプログラムを企画・実施したスタッフは、参加者の子供達が体験学習を通じて、ものづくりの面白さや達成感を体感し、工学やものづくりへの興味関心を持ってもらい、将来の創造力に繋がっていくことを願っているそうです。

担当されたものづくり技術教育支援センターの技術職員の皆様、お疲れ様でした!!

 

開催日時:令和5年7月27日(木)9時30分~12時

会場:岐阜大学工学部 別棟 機械工場

担当技術職員:梶原謙次郎、小倉隆博、生田智大、宮川翔太、國居匠真、稲川真太郎

【記事作成・問い合わせ先】

 国立大学法人 東海国立大学 統括技術センター
 CFA(生物生体,高度専門技術担当)中西 華代,CFA補佐 松浦 彩夏
 cfa[at]tech.thers.ac.jp ※[at]を@に変えてご使用ください