【開催報告】学内学生向けものづくり公開講座を開催しました(2022年10月26日)

【開催報告】学内学生向けものづくり公開講座を開催しました(2022年10月26日)

令和4年10月26日(水)名古屋大学創造工学センターにて、名古屋大学内の学生を対象とした「ものづくり講座」が開催されました。学部・大学院の学生5名が参加して、スタッフの指導のもと、模型飛行機用レシプロエンジンの分解・組み立てに挑戦しました。

 はじめに、スタッフからスライドを用いてエンジンの歴史や種類・構造などの説明がありました。さらに、スターリングエンジンという温度差で稼働する模型で2つのシリンダ内の空気を加熱・冷却し膨張・収縮させると円盤(はずみ車)が回転する様子が示されました。ここで教材として使用されたエンジンは、参加者が見やすいようにと、以前に技術職員によって製作されたものです。熱エネルギーから力学エネルギーへの変換の仕組みや各部品の役割について説明されると、参加者はエンジンが動く様子を興味深げに見つめていました。

座学の後は、エンジン分解・組み立てに挑戦です。分解する際、スタッフは内部の構造と各部品の役割を説明しながら、参加者と一緒に状態を確認していました。ある参加者は、参加理由について「授業でエンジンについて学んで知ってはいるが、実際に中はどうなっているのか興味があった」と話してくれました。

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分解したエンジンを組み直したら、いよいよエンジンの試運転です。試運転は、音や設備の関係で赤﨑記念館の裏手の屋外で実施しました。スタッフが回転軸に金属の円盤を取り付け、テスト台にセットしエンジンをグロープラグで加温、回転し始めたら、コントローラーが参加者に手渡されます。ヴォーン、ヴォーンというけたたましい音が響き、回転数が毎分1万回転ほどに到達、エンジンが暫く高速回転したら成功です。試運転が終了した参加者には、周囲から拍手が送られました。

一方で、エンジン作動中にボルトが外れたものや加速したら突然停止したエンジンもありました。不具合があったエンジンをスタッフが分解し部品の破損が見つかると、参加者もスタッフも食い入るように部品を見つめていました。本講座では珍しいハプニングでしたが、その分例年より多く学びを得る貴重な機会となりました。

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最後は、ジェットエンジンの実演です。頑丈な架台にセットされたジェットエンジンには2 リットルの燃料が用意され、排気方向には安全のため三角コーンが設置されました。周囲に集まった人全員が耳栓か防音ヘッドホンを装着したら、スタッフがエンジン点火、運転開始です。エンジンからゴォーという轟音とともに、回転数があがるにつれキィーンという高周波の音が発せられます。この音の周囲では、もはや会話ができません。推力を測定するためにバネ計りが取り付けられ、参加者は目測で7 kgf以上の推力が出ていることを確認しました。回転数が毎分9万回転に達したら、金属棒でレール上のエンジンを押し、轟音の中、推力を体感しました。棒の持ち手をしっかり持って、エンジンを押すと推力で押し返されます。参加者全員と周囲で見学した人もジェットエンジンの推力を体感し、興奮冷めやらぬまま実演は終了しました。

本公開講座を実施したスタッフの方々は、参加した学生が今回の体験を通して、工学の面白さや必要性を実感し、理解や興味を深めてくれることを願っているそうです。

充実したプログラムを企画・実施された名古屋大学の技術職員の皆さん、創造工学センタースタッフの皆さんお疲れさまでした。

開催日時:令和4年10月26日(水)13:00~16:30
会場:名古屋大学工学研究科創造工学センター(IB電子情報館北館10階)
担当スタッフ:(技術職員)中木村雅史、後藤伸太郎、足立勇太、坂井優斗、渡邊雄亮、山本浩治

【記事作成・問い合わせ先】

 国立大学法人 東海国立大学 統括技術センター
 CFA(生物生体,高度専門技術担当)中西 華代,CFA補佐 松浦 彩夏
 cfa[at]tech.thers.ac.jp ※[at]を@に変えてご使用ください