【開催報告】「夏の体験教室」(2022年8月8日)

【開催報告】「夏の体験教室」(2022年8月8日)

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講師からの説明
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参加者が持ち寄った試料

 令和4年8月8日(月)岐阜大学にて、小中学生を対象とした夏の体験教室が開催されました。当日は、6組の児童生徒とその家族が参加し、走査型電子顕微鏡を用いた観察、化学発光実験、高山試験地のオンライン見学など、充実したプログラムを体験しました。

「メインプログラムである電子顕微鏡観察には、予想を上回る種類の試料が参加者から持ち寄られ、その好奇心・期待の高さが窺えました。美しいシオカラトンボを持参した中学3年の生徒は、「何を持って来たら良いか分からなかったので、色々持ってきました!」と笑顔で話してくれました。

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大急ぎで観察の準備をするスタッフ
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トンボの眼の電子顕微鏡画像
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電子顕微鏡を興味深そうに見つめる参加者
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シダの花粉の電子顕微鏡画像

 一方で、試料の前処理がタイムスケジュールに間に合うか担当スタッフが焦る場面も。「折角持ってきて頂いたのだから、できる限り多くのサンプルを観察してもらいたい。」と必死に試料の準備を進めていました。

 子供たちはスタッフに教わりながら、実際に自分の手で電子顕微鏡ステージを動かしモニターに映し出される電子顕微鏡像に見入り、保護者の中には熱心に写真に収めている方もいました。姉弟と両親で参加していた小学校高学年の児童は、「朝顔の花粉が見られた。表面がトゲトゲだった!」別の中学生は「持ってきた蛾の複眼が見えた。綺麗だった。」と各々満足そうに感想を教えてくれました。他にも蝉の抜け殻、撫子やエノコログサといった植物、ビスマス(鉱物)や塩化カリウムの結晶、自身で調製したDNA溶液やマウスの脳スライスと多種多様な試料が持ち寄られましたが、電子顕微鏡観察に向かない試料は、急遽実体顕微鏡での観察にするなど、スタッフの柔軟な対応も光りました。

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ヘモグロビンタンパク質溶液でのお絵描きとルミノール発光実験
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試験管内でのサイリューム発光観察

 化学発光実験では、血液成分のヘモグロビンタンパク質溶液とルミノール発光試薬が用意され、参加者はまず、筆を使いヘモグロビン溶液で半紙に思い思いの絵を描きました。希釈した溶液では、描いてもうっすらと筆の跡が見える程度でしたが、室内の照明を落とし、半紙にルミノール液を吹きかけると青白く発光して絵が浮かび上がり、参加者から「おお~!」という歓声が上がりました。

 その後は、シュウ酸エステルと色素を用い、試験管内での色とりどりのサイリューム発光を観察しました。実験後にルミノール反応の原理や、血痕がルミノール発光で検出される化学的な仕組み、シュウ酸エステル発光の原理、蛍光タンパク質やその遺伝子を用いた先端研究について、担当スタッフから説明を受けました。

 今回、プログラム準備の段階から下記5名で行い、岐阜大学全学技術センター技術職員の実力とチーム体制の良さをアピールする有意義な催しとなりました。スタッフの皆さん、本当にお疲れさまでした !

開催日時:令和4年8月8日(月)13~16時
会場:岐阜大学総合研究棟II
担当スタッフ:(技術職員)沢田義治、鈴木浩二、二ノ宮真之、今度匡祐
       (技術補佐員)高寺絹代

【記事作成・問い合わせ先】

 国立大学法人 東海国立大学 統括技術センター
 CFA(生物生体,高度専門技術担当)中西 華代,CFA補佐 松浦 彩夏
 cfa[at]tech.thers.ac.jp ※[at]を@に変えてご使用ください