【記事・動画公開】ドラフトチャンバーのVベルト点検

【記事・動画公開】ドラフトチャンバーのVベルト点検

岐阜大学ものづくり工学教育技術支援室では、ドラフトチャンバー排気ファンのVベルト点検を3ケ月に一度行っています。今回は、工学部の屋上にあるVベルト駆動式の排風機44基を技術職員4人で手分けして、点検・修理する業務を取材しました。

ドラフトチャンバーは、実験室内で有害物質などを安全に取り扱うための局所排気装置です。前面が上下にスライドするガラス戸となっている箱状の実験台で、この戸を少し開け、下から手のみを入れて操作を行います。庫内の空気は、排気ファンで屋外に排出されるしくみです。この排気ファンがVベルトでの駆動式である装置が、今回の点検・整備対象です。

Vベルトは内側のV字型の切れ込みでプーリー(回し車)とかみ合い動力を伝導するので、使っているうちに劣化してゴムが伸びたり、ひび割れたりします。この状態を放置するとベルトが切れ、排気ファン機能が停止、ドラフトチャンバー内の有毒ガスが実験室内へ漏れ出てしまう危険性があるので、実験者の安全を確保するために、メンテナンスが欠かせません。

午前10時、担当技術職員4名が集合し、点検対象リストと作業手順を確認します。工具箱を持って屋上に出ると、晴れ渡る冬空が広がっていました。スタッフが屋上に張り巡らされた排気ダクトの間を縫って、点検対象の排気ファンへと移動して行きます。配電盤の中のブレーカーを落とし、排気ファンが停止したら、Vベルトをカバーの反対側から覗き込み、状態を確認します。手動でプーリーを回してモーターを回転させ、もう片方の手でベルトの伸び具合、ひびや亀裂の有無を確認していきます。ベルトの劣化が激しいものは記録し、後で新品に交換します。点検が終わったら電源を入れ、排気ファンを再稼働します。

屋上
屋上_ベルト

44基全ての点検を終えると、次は劣化したベルトの交換です。新品のVベルトとレンチを手に、再び屋上へと向かいます。各々が目当ての排気ファンの前にたどり着くと、電源を落として作業にとりかかります。手早くボルトやナットを外し、駆動部のカバーを取り外し新しいベルトに交換します。回し車の溝にベルトがしっかり取り付けられたことを確認したら、カバーを元に戻します。再稼働させて排気ファンの動作を確認したら完了です。取り外されたベルトには大きな亀裂とひびがあり、摩耗のほどが見て取れました。

全ての点検業務を終えた後、学生実験室のドラフトチャンバーとスクラバー(排ガス洗浄装置)を見せていただきました。ドラフトチャンバーのメンテナンス業務は、今回取材したVベルトの点検・交換にくわえて、排ガス洗浄装置の洗浄液やフィルターの交換、自主点検方法の指導、学生への使用法の指導・安全教育、室内装置の定期点検など多岐に渡ります。

担当職員は「定期点検を通して、日々の状態を把握し、少しでも異変があったら直ぐに気が付くことが大事です。」と話していました。こうした教育技術支援もあり、実験室の安全が守られています。

スタッフの皆様、お疲れさまでした!

担当スタッフ:(技術職員)梶原謙次郎、大西喜弘、丸山淑史、生田智大

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【記事及び動画作成・問い合わせ先】

 国立大学法人 東海国立大学 統括技術センター
 CFA(生物生体,高度専門技術担当)中西 華代,CFA補佐 松浦 彩夏
 cfa[at]tech.thers.ac.jp ※[at]を@に変えてご使用ください